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歯が長持ちするための予防とは?

鹿児島市鹿児島中央駅近くの予防の歯医者さんでお馴染みのななつ星歯科、院長の渡辺です。

歯を長く持たせるために重要なことを、今回説明していきます。

 

※ちなみに、結構難しめの内容です。

※若干厳しめに書いてますので、ご容赦ください。

そもそも、どうしたら歯が長持ちするか?

①まずは、なぜ歯が悪くなる、歯が無くなる理由を知る

歯は、基本的には、むし歯か歯周病でなくなります。(歯ぎしりや歯並び、強い咬合や、外傷、破折はここでは省略します)

そして、それらの病気は、むし歯菌や歯周病菌と、体の免疫システムとの戦いになるのです。

まずは、むし歯です。

むし歯は、どうやったら虫歯になると思いますか?

多くの方は、歯磨きがだめだからとか、いつも甘いものを食べているからと答えます。

確かにそれは正しいですが、むし歯になるメカニズムをまずは理解する必要があります。

むし歯とは、基本的には、歯の健康な面が溶けて、穴が開いてしまうことを言います。

歯磨きしなかったら、バイ菌が穴をあけてしまう。甘いものを食べたら、バイ菌が甘いものを栄養にして穴をあけてしまう。

そして、できた穴がむし歯です。一度できた穴は、歯医者さんで詰めないと治りません。

けど、数日歯磨きをしなくても、普段甘いものばっかり食べていても虫歯にならないときはならないですよね?

これはなぜだと思いますか?

じつは、歯には再石灰化という特殊な修復機能があり、

バイ菌が歯を溶かしても、溶けたものが元に戻る作用があるのです。

つまり、普段は、歯垢がたまっている時、甘いものを食べている時、必ず歯が溶かされているのに、その後、溶けた部分が元に戻る作用があるということです。

歯は、pHが5.5以下になると、表面が溶けるという性質があります。

ジュースを飲んだりお菓子を食べると、その食品自体がpH5.5いかであれば、むし歯菌のいるいないに関わらず歯の表面が溶けます。

また、砂糖を取ると、歯垢中のバイ菌が砂糖を分解して、酸性の物質を出し、歯垢中のpHが5.5以下になります。そうすると歯が溶けだします。

しかし!歯には、再石灰化という能力があり、その成分は唾の中にあります。食後、唾の成分が歯にいきわたり、pHを5.5以上にしてくれます。そうすると、歯は溶けなくなり、かわりに唾の中のカルシウムイオンやリン酸イオンが歯に結合して歯の表面を修復してくれるのです!

なので、普通は、この溶けると戻るのバランスがちゃんとしているので、穴はあきません。

むし歯になるとは、この溶ける(脱灰)が強いか、戻る(再石灰化)が弱いかのどちらかが起きることで、穴があきます。

例えば、唾液が少ない人。

このような人は、口の中のpHが5.5以下になった後、それが元に戻るまでに多くの時間がかかります。なので、再石灰化がおき、穴が元通りになる前にまた歯を溶かすと、どんどん溶けて行って、元に戻すことができない穴があきます。これがむし歯です。

つまり、むし歯とは、この溶ける戻るのバランスが崩れることが原因で起きる病気なのです。

次に歯周病。

歯周病とは、歯周病菌と歯茎の上皮バリアの戦いのことです。

歯ぐきには、バイ菌から歯ぐきを守る免疫機構があり、歯と接する歯ぐきの表面には上皮バリアというバリア部隊がいます。

一方、歯周病菌は、栄養源として、鉄が必要であり、血液中の鉄を得るために、歯ぐきを攻撃します。

歯ぐき周辺の歯垢が多かったり、歯石が付いていると、歯ぐきを攻撃する菌が多く、上皮バリアが破られると歯ぐきが腫れて出血します。

歯磨きしたら血が出るという状況は、歯周病菌にすでに歯ぐきのバリアが破られているということなので、非常にヤバいです。

そして、歯ぐきが腫れたり、歯周病菌が出す毒素の影響で、歯を支えている骨が溶けだします。

この骨が溶けるというのはかなりマズいです。

なぜなら、歯の寿命とは、歯そのものの寿命ではなく、歯を支えている骨の寿命と言っても過言ではないからです。

歯はなぜグラグラしないと思いますか?

それは、歯ぐきに埋まっているからではなく、

歯が顎の骨に埋まているからなのです。歯の根っこは基本的には骨に埋まっていますが、この骨が溶けてなくなり、3分の1くらいしか歯の根っこが骨に埋まっていない状態になると、グラグラして歯が抜けます。

この時、基本的には抜けるまで痛みや症状が無い場合も多くあります。

虫歯になったことのない、すごく健康な歯が、ある日グラグラしだして抜けてしまう。これが歯周病です。

話を戻すと、この、歯ぐきが腫れることで、歯を支えている骨が溶けることが、

歯周病になって、歯を失うということです。

当然、体の免疫力や、体調、生活、全身疾患とも密接に関係してきますが、大まかにいうと

歯周病はこのような病態です。(もっと奥深いですが、このへんで・・・)

まとめると、むし歯の原因は、歯の溶ける戻るのバランスの問題、

歯周病の原因は歯ぐきが腫れて、歯を支える骨が溶ける溶けないの問題と言えます。

 

 

 

 

 

 

②どうすればむし歯にならないか考える

では、どのようにすれば、むし歯にならないのでしょうか?

むし歯は、溶ける溶けないのバランスが崩れるのでなるのでした。

なので、溶ける原因を少なくし、戻す要因を多くしてあげるのが重要です。

①溶ける原因を少なくする

溶ける原因は、

むし歯菌の量、

歯垢の量、

食事の頻度

フッ化物の使用

などです。

歯を溶かす菌は、ミュータンス菌などの特定の酸をつくるバイ菌です。この菌は1歳から3歳までの間に親などから移ったものであり、その割合を減らすことはできません。

むし歯菌はキシリトールガムやLロイテル菌などの乳酸菌群を定期摂取すると減ると言われています。(が、続けないとまた元に戻ります)なので、続けて摂取します。

歯垢の量は、要するに磨き残しです。

特に、ずっと同じところが磨けなくて磨き残すというのが良くないです。

歯垢とは、つきたての頃は、あまり害のない菌で構成されており、活動性も弱いです。

しかし、ずっと同じ磨き残しがあると、歯垢の中で、強い菌だけが生き残っていき、活動性の高い、病原性の高い歯垢が出来上がります。なので、ガンガンに歯を溶かします。

そして、残念なことに、自宅での歯ブラシで、歯垢を完璧にとることは不可能です。

しかも、磨き残すところは、いつも同じところです。なので、むし歯になります。

歯垢は、成熟すると強い歯垢になっていますので、定期的に取り除かれる必要があります。ここで重要になってくるのが歯医者さんです。

歯医者さんでメンテナンスすると、汚れはほぼゼロになります。

歯医者さんでは、汚れを特殊な染色液で染めて見えるようにしてから除去するので、基本的に汚れはすべて取ります。

なので、定期的に歯医者さんに行くことで、歯垢の成熟、病原性の悪化を食い止める必要があります。

次に食事の頻度についてです。

多くの食物は、酸性の食物が多く、食事をするとお口の中はpH5・5以下になるので、食事をするだけで基本的には歯は溶けると思っておいたほうがいいです。そして、食事が終わると徐々にpHが改善してきますが、

それには少し時間がかかります。40分くらいはかかりますし、遅い人はもっと長く溶けています。

そして、溶けたものが戻りきっていない状態で、次の食事、間食をすると、溶けた状態からさらに溶けるので、もっと回復しにくくなり、穴が開いてしまいます。

ちなみに、砂糖の摂取量が多いことも若干関係しており、砂糖が多いと、歯垢の成熟が早くなってしまい、しかも、バイ菌は砂糖を分解してねばねばの物質を出して歯にくっついているので、

歯ブラシで取れにくいネバネバ歯垢になってしまいます。

虫歯にならないための対策は、間食を1回以内にすることです。また、甘いものを食べるなら、チビチビ時間をかけて食べるのではなく、短期間で、できれば食事と一緒に食べることをお勧めします。

また、何気なく飲んでいる炭酸飲料や果物ジュース、お酒なども間食に含まれますので、気をつけましょう。

次に、フッ化物の使用です。

フッ化物には、自宅で毎日使うフッ化物配合歯磨き粉と、歯医者さんで使う高濃度フッ化物の2種類があります。

自宅で使うフッ素は、現在日本では、薬事法の兼ね合いで濃度1500ppmまでしか配合できませんので、一般歯磨き粉であれば1450ppmフッ化物配合と書かれている歯磨き粉を使いましょう。

ただし、歯磨きした後はうがいは1回です!3回以上するとほぼ成分が流れて無意味になります。また、半日ほどでフッ化物の効果はなくなてしまうので、必ず1日2回以上は1450ppmフッ化仏配合歯磨剤を使いましょう。

歯医者さんでのフッ化物は、濃度9000ppmであり、歯の表面のアパタイトとフッ化物が結合して長期間、お口の中のフッ素濃度を上げた状態にしてくれます。なので、しばらくはフッ化物の効果が持続します。

ちなみにフッ化物は、歯垢があると歯と結合できないので、必ず歯垢を落としてからの使用となります。

そして、フッ化物を使うと、歯の表面が溶けにくくなります。

つまり、歯の表面が強化されるという意味です。

なので、歯が溶けないようにするためにも、フッ化物の応用は非常に重要です。

さらに、フッ化物は、唾液中のリン酸イオンやカルシウムイオンを引き寄せる効果があるので、溶けた歯の成分が再石灰化しやすいという利点もあるので、非常に有用です。

アメリカで有名なキャンブラ先生は、歯磨きとは、フッ化物をすべての歯面にいきわたらせるためにある、とも言っており、歯にフッ素が付くと、非常にむし歯の抑制効果は上がります。

 

②戻す要因を増やす。

むし歯にならないためには、戻す要因を強くすることも非常に重要です。

戻す要因とは、溶けた成分を歯に戻す作用です。

まず、歯に成分が戻るためには、お口の中のpHが5.5以上でないといけません。

この、pHを正常に戻す作用が唾液の中にある、緩衝能という能力(実際には重炭酸塩という成分)です。

この緩衝能が強ければ、歯が溶ける状況から、すぐに歯に成分を戻す状態に移行できるため、十分歯が元に戻ります。

なので、歯が溶けて、溶けて、溶けて、といったループができにくいので、穴が開きにくくなるのです。

また、この緩衝能は唾液中にあるため、唾液が多いか少ないかもとても重要です。

唾液が多ければ、この緩衝能も強い(唾液が多いと、その中の成分も相対的に多くなる!)ので、虫歯になりにくくなります。

なので、食後は唾液をたくさん出すというのが、酸性になり、歯が溶ける状態にあるお口の中を、正常に戻すために重要です。

私がおススメするのは、キシリトールガムです。砂糖が入っていては当然ダメですが、キシリトールガム、できればキシリトール100%の歯科専売ガムであると非常に良いです。

食後に必ず5分キシリトールガムを噛むだけで、非常にむし歯になりにくくなります。

もう1度言いますが、むし歯は、溶けると戻るのバランスが崩れるのが原因です。

なぜキシリトールガムをかむとむし歯の抑制になるか?唾液が出るからです。唾液が出れば、緩衝能が現実的に働くからです。バランスを戻すためにとても重要です。

基本的には、歯が再石灰化して、成分が戻るためには、カルシウムイオンやリン酸イオンも必要です。

ガムによっては、このような成分が含まれているものもあるので、自分に合ったものを選びましょう。

なので、歯に成分を戻すために必要なのは、溶けるから戻すへの環境を変える(pH5.5以上にする)、戻す成分を補給してあげる。

これがとても重要になります。

 

 

③どうすれば歯周病にならないのかを考える。

では、どうすれば歯周病にならないかを考えましょう。

歯周病でもっとも嫌なのは、歯を支える骨が溶けることでした。

極端に言うと、歯を支えている骨が1cm溶けたら、その歯が抜けるというイメージです。

この1cmを、歯医者さんに行かない人は数十年かけて溶かしていき、1cm溶けたところで歯が無くなるのです。

ですので、年齢とともに、歯が悪くなって抜けるというイメージがあるかもしれませんが、実際には、年齢とともに歯周病が進んで、歯が抜けるというのが正しいです。

ですので、歯周病が進まなければ、骨が溶けないので、年齢が進んでも歯が抜けないのです。

では、骨が溶けないようにするにはどうすればよいのでしょうか?

骨が溶ける理由は、歯ぐきが腫れることや歯周病菌が出す毒素に骨を溶かす成分が含まれているからです。

なので、歯ぐきが腫れないようにすればいいのです。

歯ぐきはなぜなれるのかというと・・・

歯周病のバイ菌が歯ぐきを攻撃して血を出させようとするからでした。

なので、歯周病のバイ菌を少なくすればいいのです。

歯周病のバイ菌は、歯ぐき周辺の歯垢や、歯石の中にいます。

なので、歯周病のバイ菌を減らすには、

歯ぐき周辺の歯垢を徹底的に取り除くこと、

また、歯石を取ることです。

歯石は、唾液中のカルシウムが固まってできる歯ぐきの外にできる白い歯石と、

血液中や歯ぐき中のカルシウムが固まってできる歯ぐきの中にできる黒い歯石があります。

特に黒い歯石は歯周病が進んでいる人にはたいてい見られるものであり、

歯医者さんで専門的に治療しないと取れません。

一般的に歯医者さんで歯石取りしてもらったというのは、歯ぐきの外の白い歯石であり、

歯ぐきの中の黒い歯石が実は付きっぱなしということはよくあります。

そして、この黒い歯石が付いている場合、ものすごい速さで骨が溶かされますので注意が必要です。

なので、歯周病にならないためにしなければならないことは、歯石をすべてとることです。

そして、歯石は数か月するとまた必ずついてきます。

なので、定期的にできれば1か月~3か月の間で取りに行くことが重要です。

もし、いまあなたの歯が1cm骨に埋まっているなら、あなたの歯の寿命は1cmです。

歯石が付いた状態であれば、その1cmが徐々に減っていくカウントダウンが始まっています。

一刻も早く歯石を取ることを私はおススメしています。

※歯周病は実際には、生活習慣、全身疾患、かみ合わせなどなど、様々な要因が原因となっています。

ここでは、一般的に歯周病の病院論に基づいて説明しています。

病気になった原因を知ることの重要性

鹿児島市鹿児島中央駅近くの予防の歯医者さんでお馴染みのななつ星歯科には、基本的に今ある歯を長く残したい、歯をこれ以上失いたくない、これ以上削らない、抜かない、そういったご要望をたくさんうけます。

そして、痛い歯を治したいという患者さんもいらっしゃれば、今は何も症状ないが予防したいという患者様もいらっしゃいます。

今歯がいた、腫れている、という患者様の場合。

なぜその歯が痛くなったのですか?

なぜ腫れたのでしょうか?

歯医者さんに行くとたいてい、むし歯で痛いのですね。

歯周病で歯ぐきが腫れていますねと言われ、むし歯だったのか!はやく治療したい!じゃあ治療しましょうか。

となります。それで終わりです。

けど、よく考えてみてください。

その前があるのです。

なんで虫歯になったんですか?

なんで歯周病になったんですか?

おそらく、歯磨きは自分なりに一生懸命したと思うし、なんでか分からないけど

むし歯になった、歯周病になった、それで終わってませんか?

1番大切なことは、むし歯を治すことや歯周病を治すことではありません。

なんで虫歯になったのか、なんで歯周病になったのか、その原因を知って、

今後虫歯にならないようにしよう、歯周病にならないようにしよう!

そう決意することです。

よくこのような話をききます。「この歯はよく虫歯になって治療するのよね、きっと磨き方がたりないんだわ」

けど、本当にそうでしょうか?磨けていない自覚があるのであれば、おそらく普段の歯磨きでは意識して磨いているはずです。

つまり、その歯が虫歯になる原因は他にあるということです。

それを知らないと、永遠にむし歯の繰り返しになります。

ななつ星歯科では、初診時唾液検査をすべての患者様におススメしています。

なぜあなたは虫歯や歯周病になるのでしょうか。

それを分かったうえで治療をし、治療が終わった後、そのリスクに備えるのが良いでしょう。

 

次に、今は症状はないし、むし歯もないが、将来自分の歯でおいしく何でも食べたいから、むし歯や歯周病にならないために予防したいという患者様。

今むし歯がないことは、将来も安泰ということにはつながりません。

将来歯を長く伸ばすためにも、歯が健康なうちに、自分のリスクを知っておくことが、すごく大切です。

実際に、今むし歯や歯周病が無い人も、年齢が上がれば免疫力が低下したり、生活習慣が変化して、むし歯や歯周病になることは多くあります。

むし歯が無い人でも、唾液検査すると、ものすごくむし歯のリスクが高い人もいます。

そのような場合、今、たまたま虫歯が無いだけかもしれません。

それに安泰して、リスクを疎かにしていると、将来歯を残すことが難しくなってしまいます。

逆に、予防したいという患者様が自分のリスクを知っていることは、

鬼に金棒です。

健康な人こそ、もっと健康に、ずっと健康に。これを目指すべきです。

 

 

歯医者さんに来るだけでは、予防はできない

多くの方が、間違いやすいのが、歯医者さんに定期的に行っていれば、絶対大丈夫という考え方です。

むし歯や歯周病は、日々の歯磨き、食事、免疫力、様々な要因が重なってできます。

例えば3か月に1回歯医者さんに行っている人は1年365日のうち、たった4回しか歯医者さんに来ません。毎月通院しても365日中の12回です。

残りの350日あまりは、自分での歯磨きが非常に重要になってきます。

つまり、歯医者さんに行っているからと、自宅でのケアを自己流でやっていると、

せっかく歯医者さんに行っているのに容易にむし歯や歯周病になります。

ですので、ものすごく大切なことは、歯磨きの仕方を完璧にすることです。

ななつ星歯科でも、初診時のアンケートで、歯ブラシ指導が必要ですか?というアンケートを取りますが、

半数の方は、「その必要はない」を選択しています。

つまり、自宅では、自分なりに完璧に行っているので、心配しなくて良いということなのですが、

そのような患者様に限って、たくさん虫歯になっています。

自分の考え方を変えなければ、むし歯に頻繁になるというそのループから抜けることはなく、

将来的に自分の歯を残すことは難しくなります。

私たちは、患者さん歯を、削らない、抜かないようにして、自分の歯でずっとおいしく食事できるようにしてほしいという思いがあり、

そのためにはどうすればいいのかということを、

深く、深く、学んできました。

そして、患者さんの将来の健康のために、さまざまな提案をしています。

もしかしたら、患者さんにとっては、迷惑かもしれません。

あなたにおススメの歯ブラシや商品も、私たちは、本当に患者さんのために勧めているのに、

押し売りに感じてしまう患者さんもいます。

多くの歯医者さんは、患者さんにとってはこの方法が1番いいのに、

迷惑かな、と勝手に忖度して、うわべばかりの対応をしてしまうことも多いのではないでしょうか。

歯医者さんが、自由診療を勧めるのも、あなたにとってはその素材が最も合っているからです。

もし、スーパーでお肉を買うときに、

店員さんにどのお肉がおススメですか?とたずねたとき、

店員さんが、国産のお肉もありますけど、高いから、あなたは中国産の安いお肉でいいんじゃないですか?

と言われたら、どう思いますか?

それはいらぬ忖度です。

私たちは、あなたの健康にとって、最も良いものを、自信をもってあなたにおススメしています。

私たちは、いらぬ忖度をして、あなたの歯にとっては、本当は悪いこと、害であるなということはしません。

例えば、30年前に作った銀歯が取れました。

患者さんがこの銀歯をまたつけてほしいと言ってきました。

実際銀歯は5年もすれば錆びて隙間ができているので、絶対に付けてはいけないと思います。

けれども、患者さんに迎合して付けたとします。

患者さんは、この歯医者さんは融通が利いて良かったと思って帰ります。

けど、実際はどうでしょう?その銀歯は合わないから取れたわけであって、

中が虫歯になって、将来その歯は、ボロボロになるでしょう。

私は、このようなことはあってはならないと思います。

患者さんの歯が、将来的に最も長く持ち、健康であるように、私は治療します。

なので、ななつ星歯科での治療は、さまざまなステップを経る必要があります。

歯医者さんで融通が利かないのは、あなたの将来を考えているからなのです。

さて、話は変わりますが、歯の治療に万能というものはありません。

例えば、患者様の中には、インプラントを入れたら、一生使えると思っている患者様や、セラミックで治療したら歯医者さんに行かなくても虫歯にならないと、まるで魔法の治療かの如く、考えている方がいます。

これは間違いです。そもそも、虫歯になったからセラミックにし、歯が抜けたからインプラントになっているわけで、非常にその部位はリスクが高い部位だと言えます。

なので、そこはどんな材料で治療したとしても、定期的にフォローしていかなければ、セラミックでも虫歯になるし、インプラントでも歯周病になって、インプラントが抜けます。

※ただし、銀歯やブリッジを入れるよりは、はるかにその歯が長持ちすることは確かです。重要なことは、あなたの歯に合った材料を入れ、さらに、きちんとメンテナンスすることです。

 

 

 

歯医者さんには必ず通う必要がある理由

歯医者さんに行かなければならない理由は、いろいろあります。

虫歯予防という観点から言うと、

自宅のケアでは取り除けなかった歯垢、成熟した病原性の高い歯垢を一度リセットする

むし歯の前兆がないかチェックする

昔治療した歯が悪くなっていないかチェックする

9000ppmの高濃度フッ化物を塗布して歯を強化する

歯周病予防という観点から言うと、

歯ぐき周辺の歯垢が取りきれているかを染め出しで確認し、歯磨き指導する

歯ブラシでは取れない歯石を取る

歯ぐきから、歯周病菌の栄養である血が出ていないか確認する。

歯周病が安定しているか確認する

などの理由があります。

特に、歯石に関しては、歯医者さんでしか取り除くことは不可能ですので、

歯石が付いたらすぐに取り除く必要があります。

歯科医師としては、

例えば、歯医者さんに1年行ってないです!

という言葉を聞くと、「やばい!歯の寿命が減っている!」

と心の中で叫んでしまいますし、

歯医者さんに定期的に行かないことは、

この理由を知っていれば、恐ろしくて行かないわけにはいきません。

もちろん、歯科医師も、歯科衛生士も

定期的にきちんと歯石取りをしています。

定期的な歯医者さんでのケアは、ものすごく重要なのです。

 

歯医者さんで、ケア商品を勧められる理由

歯医者さんに行くと、歯ブラシや、歯磨き粉、ガムや洗口剤など、いろいろなものを勧められると思います。

その理由は、患者様がそれを使うことで、歯の寿命が延びるからです。

歯ブラシも、間違った歯ブラシ、意味のない歯磨き粉を使っていたら、

せっかく歯磨きしているのに、していないのとほぼ変わらない、なんてことはよくあります。

ぶっちゃけ、歯医者さんで売る歯ブラシや、歯磨き粉の売り上げは、

歯科医院の利益の1%ほどしかなく、歯医者さんにとっては、売ろうが売らないだろうが、

ほぼ利益に変わりありません。

なので、多くの歯医者さんでは、別に強く勧めてきません。

ややもすると、患者様の健康のために勧めたはずなのに、

高価なものを売られたと、クレームになる場合もあり、

このようなケア商品を売らないところも多くあります。

しかし、ななつ星歯科では、とにかく患者さんの歯の寿命が大切なので、

必要があれば、ケア商品を勧めています。

①自己流で選ばない

歯ブラシを選ぶとき、なんかよさそう、店員おススメと書いてある、などなんとなくで選ばないのが重要。

歯ぐきの状態、歯垢の成熟度、歯並びなど、自分に合ったものは、他の一般的な人とは全く違います。

歯ブラシには、なん十種類ものタイプがあります。どれが合うかは、お口の中の状態を知っている歯科医院でしかわかりません。

②フッ化物を使う。

フッ化物がたくさん入っている歯磨き粉や、フッ化物の洗口剤は、1日2回以上使いましょう。

研究では、1日2回以上使うか使わないかで、57%もむし歯のなりやすさが変わってきます。

さらに、濃度が1450ppmフッ化物配合であれば、それ以外の濃度より7%むし歯になりにくくなります。

なので、歯磨き粉は1450ppmと書いてあるものを選び(1450ppmのものは薬事法で濃度の表記が義務化されているので、1450ppmと書いてなければ、1450ppm入っていません!)、1日2回以上は使いましょう。

しかも、歯磨きのあとは、うがい1回です!たくさんうがいすると、フッ化物はきれいさっぱり流されてしまい、効果がなくなります!

③リスクに応じて、キシリトールガムやpH調整剤、バイオガイアを使用する。

リスクが高い人はキシリトールガムを噛んで唾液を増やしたり、むし歯菌を少なくしたりすることや、

pH調整剤を使い、緩衝能の改善をしましょう。

 

 

日本人の常識通りに行動すると、入れ歯になる

80歳時点で、20本以上の歯が残っている人の割合は、なんと、約50%です。

(歯は全部で親知らず入れて32本)

そして十数%ほどは、80歳で総入れ歯になっています。

そして、他の先進国ではほとんど歯がなくなることは無いです。

なんで、日本人は、歯がこんなになくなるのでしょうか?

それは、歯医者さんや、他の歯が長持ちする国からすると、ありえない日本の常識があるからです。

日本のあり得ない常識

その1・・・「歯医者さんは痛くなったら行くところである」

これは間違いです。歯医者さんは、歯が悪くならないようにいくところというのが、正しい常識です。

 

その2・・・「虫歯になったら治療すればいい」

これも間違いです。

むし歯の治療とは、自分の歯に穴が開いたところを、プラスチックや金属で埋めるということです。

だいたい5年もすれば、劣化して、また虫歯になります。

これを繰り返すうちにどんどん削られて、神経が死んで、歯が抜けます。

ある日突然、歯医者さんに行くと、

この歯は、もう抜歯するしかないです。こういわれてしまいます。

正しい常識は、むし歯は、むし歯になる前に予防する、もしくは、むし歯になりそうなところを、歯医者さんで管理してもらう、です。

歯は削ってしまってはいけないのです。ということは、虫歯になってしまったらいけないのです。

 

その3・・・「私が歯周病になることは無い、歯ぐきが痛いことはないので、歯周病になっていない」

歯周病とは、サイレントキラーと呼ばれ、痛みや症状なく進みます。

例えば、歯石が付いて、歯ぐきが腫れて、血が出るのに、痛くないので、病気とは思いません。

しばらくすると、歯を支える骨が溶けるので、歯がグラグラしてきます。

ここでやっと、なんかおかしいと気が付きます。

けど、骨が溶けてしまったらどうしようもないので、あとは抜けるのを待つのみです。

80歳で総入れ歯になっている患者様の多くが、歯周病で歯を失っています。

けど、そのような患者様も若いときはすべての歯があったのです。

自分だけは歯周病にはならない。その考えが歯を失うのです。

 

その4・・・「治療が終わったから、歯医者さんはしばらく行かなくていい」

多くの患者様は、むし歯です、と言われると、真剣に通院し、最後まで通院されます。

しかし、むし歯の治療が全部終わると、しばらく歯医者さんに行かない傾向にあります。

なんで虫歯になったか考えていないので、当然、2年したらまたたくさん虫歯ができています。

「私は虫歯になりやすいのよね・・・」

違います。虫歯になる原因が治っていないのに、治療だけするから、また虫歯になるのです。

むしばになる理由を克服すれば、何度も何度も虫歯になることはありえません。

むし歯になる原因は歯が溶けると戻るのバランスでした。

そのバランスを改善するために、定期的に歯医者さんに行くのです。

しかも、むし歯ができるということは、相当バランスが崩れないとおきません。

なので、むし歯があるというその状況自体が、いままでの考え方ではダメであるということなのです。

また、歯石は3か月ほどで目に見えるほどついてくるので、それ以上時間がたつと、歯ぐきが腫れます。

 

その5・・・「保険診療は、国が認めているから、歯にとって良い」

これも誤りです。

国の歯科に対する保険制度の考え方は、「必要最低限、噛めるようになるということは保険で認めますよ」ということです。

例えば、銀歯。

銀歯は、歯科業界の中では、歯にとって、ものすごく害があります。

私は、自分や、自分の家族に銀歯を入れることは、ありません。

銀歯は、歯ぐきが腫れたり、アレルギーになったり、歯垢が付きやすかったり、歯との合いが

悪かったりと、歯にとっては良くないですが、一応噛むことはできます。だから保険診療なのです。

自由診療は効果であり、けど銀歯はいやだなと思うのであれば、保険が適用されるコンポジットレジンを使ったほうが銀歯よりも良いと、私は思います。

なので、ななつ星歯科では、歯と歯の間に虫歯ができたら、

銀歯にするか、コンポジットレジンにするか、セラミック系の材料にするか、

患者さんに選択してもらいます。

その他にも、ブリッジや入れ歯なども、保険であれば材料が決まっており、

実際には歯に負担がかかるものも多くあります。

しかし、歯周病のケアや歯石取りも歯周病の安定のために保険が適用されるので、

その点では保険制度を利用するのは良いことだと思います!

 

結局、歯を長く持たせるために、健康を維持するために歯医者さんに行くという常識を持つこと。

歯が長く持つ人は、おおむね以下の2パターンです

①たまたま、偶然、歯医者さんに行かなくても病気にならない何かしらの習慣がある人

ときたま、このような人がいますが、ほんの数%です。

自分もこうであるに違いない!と思っているから、歯がなくなります。

 

②自分の歯はとても大切であるということに気が付き、そのために定期的に予防歯科に通院する人

歯医者さんに定期的に(1~3か月の間隔)通院している方は、通院していない人に比べ、優位に歯が残るというデータが出ています。

当然、定期的に歯石を取り、定期的に高濃度のフッ化物を塗布するので、リスクはかなり低くなります。

歯を長く待たせる常識は、

定期的に来院することなのです。

そして、歯医者さんで言われた、あなたのリスクの応じた、予防プログラムに沿って、

自宅でのケアを行うことです。

ななつ星歯科では、患者様の歯が100歳になってもなんでも自分の歯で食事できることが重要だと思っています。

そのために、何をしないといけないのか、

それを患者様のリスクに応じたオーダーメイドの施術で、

歯を守っていきます。

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